フィルム自体に問題があれば、いくら高性能のスキャナーを使っても、きれいな画像にはなりません。
フィルムや写真がひどい状態でも高度な再生技術で直してくれるサービスもありますが、非常に高額な費用がかかります。
また、ソフトウェアでスキャン後のキズや折れ補修、退色補正などの加工も可能ですが、それでも限界があります。きれいなデジタル画像にしてその後の保存・整理をしやすくするには、スキャンする前に以下の3つの作業を行っておくことをオススメします。
1.フィルムのカビ・汚れなどの除去しておく
きちんとスリーブ(フィルムケース)に入れて湿気などがないところに置くなど、保存状態がよければ問題がありませんが、カビが生えていたり、折曲がっていたりすると、そのままではきれいなデジタル画像になりません。
キズが入らないように注意してカビを取ったり、ほこりや汚れを取っておきましょう。
カメラの量販店などで、フィルムクリーナーというものも販売されていますので、取れる範囲でカビなどを取っておきましょう。
<参考:ネガフィルムからカビを除去する方法>
キズや折れ目については、簡単にはなおりませんが、デジタル画像にしてから、画像処理ソフトなどでキズを消去したりできます。キズを消したい場合には、そういった方法も有効です。
※スキャナーによっては、キズや折れ目を自動除去する機能がついたものもあります。
2.フィルムをタイプ別に分けておく
フィルムにもいろいろな種類があります。一般的に使うフィルムでも、35ミリカラー/白黒フィルム、APSフィルム、ハーフサイズ、ブローニー、ネガフィルムやポジフィルム、未現像フィルムや、スライド用にカットしてしまったフィルムなど。
スキャナーの種類やDPE店のスキャンサービスによってデジタル化ができるフィルムとできないフィルムがあります。
スキャナーの種類によってできないものは、DPE店フィルムのデジタル化サービスを利用するなど、フィルムの種類によって切り分けを考える必要があります、
お金に余裕があれば、ほとんどの種類のフィルムをデジタル化してもらえるショップもありますが、自分でデジタル化したい人や近くのDPE店を利用して安くあげようと思っている人は、事前にフィルムの種類別に分けておくことをオススメします。
3.整理するフォルダ名を決めておく
フィルムをデジタル化する前にスリーブ(フィルムケース)などに撮影日付や内容を書き込んでおくこともおすすめします。
これはフィルムのデジタル化した後にパソコンやクラウドに移動する場合、ここで記入した日付や内容に対応するフォルダ名にすることで、保存・管理がしやすくなります。
検索機能のついたクラウドサービスやビューアーでも、タグやタイトルが必要になりますので、事前に分かる範囲でタグ付けや日付などを記入しておいてください。
スキャン前にフィルムの保存先を決めておくことで、後の保存作業が正確で楽になるわけです。フィルム枚数が多い人はぜひやっておいてください。