しかし、写真編集(フォトレタッチ)ソフトを使えば簡単にきれいな写真にすることができます。
画像を補正ができるツールは、無料のものからプロが使う高価なものまで数多くあります。
このページでは、写真編集(フォトレタッチ)ソフトの中でも一番有名なPhotoshop(フォトショップ)
Photoshopはアドビ社が開発・販売するソフトで優秀な画像補正機能が数多く備わっています。Photoshopには機能別に何種類かあって、このページで説明するのは、Photoshop CS5という
ソフトです。写真編集がメインで使われる方は、Photoshop Lightroomがおすすめです。
変色した写真の色調補正
当時の撮影の仕方が悪かったり、フィルムの保存状態が悪かったりして、全体が白っぽい場合や、下の写真のように黄色っぽく変色した場合には、色調補正を行います。プロはトーンカーブなどの機能を使って色合いやコントラストを見ながら色調補正を行いますが、今回は誰でもアッと言う間にできる自動の補正を行います。
フィルムをそのままスキャンしただけ写真です。かなり黄色っぽい状態です。
1.Photoshopで画像を開く
2.イメージをクリック
自動トーン補正、自動コントラスト、自動カラー補正が選べるようになります。
3.自動補正を行う
基本的には、「自動トーン補正」を選べばいいのですが、どうもまだ色合いがよくないと思えば「自動カラー補正」を選べばいいし、写真にメリハリをつけたい場合は、「自動コントラスト」を選べばいいでしょう。
自動トーン補正:全体の色とコントラストの両方を補正します。
自動コントラスト:色を変えずにコントラストだけを補正してメリハリを出す。
自動カラー補正:コントラストと色調を調整し不要な色味を取り除く。
以下の写真は、自動トーン補正、自動コントラスト、自動カラー補正の3つとも行った写真です。この3つを選ぶだけ、たった3秒で黄色味が取れて青空が見えてきたのが分かります。
下の左は元の画像、右が自動補正後の写真です。
見比べると黄色っぽさが無くなって、空の青さが強調されているのが分かります。ピントの甘さや色合いなどは、調整しようと思えばまだできますが、自動調整だけでも充分にきれいで見れる写真になったと思います。
キズ・ホコリを取る
スキャン作業中についたホコリなどが写りこんでいる場合は、再度スキャンすればいいですがフィルムに付いたキズや折り目などは、そのままキズとしてデジタル化されていまいます。
気になるキズやほこりは、簡単に消すことができます。
写真は細かいキズが多くありますが、赤丸のキズを取ってみましょう。
1.Photoshopで画像を開き、ツールボックスから「スポット修復ブラシツール」を選びます。
オプションバーの「種類」から「コンテンツに応じる」を選択します。これで、不要物を消したあとの背景処理が、「コンテンツに応じた塗り」となります。
2.オプションバーの「ブラシピッカー」アイコンをクリックしてブラシピッカーを開ます。
ブラシの直径サイズ、ブラシのぼかし具合を指定する「硬さ」、間隔を調整します。ここは、ブラシで補正しながら値を調整すればいいでしょう。
3.スポット修復ブラシでこする。
右のヒストリーを見てもらうと分るように、5回ほどこするだけで赤丸の3か所のキズが消えました。
細かいキズは沢山ありますが、気にならない程度に修復できました。乗り物の柱と背景の柵にあったキズやおじさんの顔にあったキズもきれいに無くなり、おじさんの青いズボンのキズもズボンのしわの状態を残しきれいに取り除けました。
ピンボケを補正する
ピンボケ写真も簡単な処理でメリハリのある写真に補正ができます。まったくボケボケの写真は難しいですが、少しくらいピントが甘い写真は、簡単な作業で直ります。
観覧車部分を見るとピンボケしているのが分かります。実際には観覧車が動いているのでブレだと思いますが、ピンボケの補正に使います。
上の写真と比較しやすいように、下はピンボケ補正後の写真です。
1.Photoshopで画像を開き、フィルター > シャープ > アンシャープマスクを選びます。
量、半径、しきい値を調整する。
量:輪郭部分のコントラスト強調の強さ
半径:輪郭を強調するとき、エッジをどれぐらいの太さ(=幅)で強めるか
しきい値:どの程度のコントラスト差を強調するか
2.OKを押すとアンシャープマスクが実行されます。
量や半径などを調整して、自分の好みの画像になるまで調整する。あまりシャープネスを効かすと、画像が荒くなるので、荒くならない程度にする。
ピンボケ補正や色調補正などは、写真全体での補正を説明しましたが、範囲を選んで部分的に補正もできます。
このページで説明する方法は、かなり手抜きの操作です。手抜きの操作であっても、かなりきれいな補正ができて、アルバムとして楽しむ分には充分な仕上がりだと思います。
さらに、詳細に補正したいという方は、Photoshop関連の書籍などが数多く
出版されていますので、それらで勉強してください。